教育支援員の備忘録

生徒主体の学校づくり

3つ目のS

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「心いる方なりませば弓張の 月なき空に迷はましやは(源氏物語 朧月夜の君)」

 

渡り廊下で、長身ですらりとしたスタイルに清楚なブラウスとタイトスカートを着こなし、綺麗に整ったポニーテールの女性とすれ違った。ニコッと会釈を受け、「新しいALT(英語の外部講師)が来たのかな」と思っていたら、卒業生が教育実習に来ているという。おっとりとした口調で終始ニコニコしており、教師というよりは「秘書にしたいナンバーワン」に選ばれるキャラクターである。

 

色々と話をしていると、実習をしてみても「教える技術」がなかなかつかめないと伝えられた。指導というと通常考えられるのは対話であり、相手に話を聞かせる工夫が必要である。一斉講義型の授業が否定されているとおり、話を独り占めすることは対話ではない。また、話が単調であったり面白味がないと生徒たちをうんざりさせることになる。語調や言い回しによっても受け取られる感じは相当違ってくる。人と人とが心を通じ合う為には様々な技術が必要となってくる。

 

この要件に該当する指導とは、一つにはリーダーシップのS。主観的に判断するのではなく、客観的に判断する心の余裕を持ったコミュニケーションが出来ること。二つにはフォロワーシップS。自分の仕事以外の事は何も分からぬという狭い視野ではなく、結果に対する説明責任を果たせる事。三つには、自分がクラスのチームリーダーであるという自信。親しまれ信頼される人であれば自然と生徒たちの協力を得られるはずである。あなたに必要なものは、ストレングスという3つ目のSです。

 

「教わっていないからわからない」は、目標を達成するかしないかは教える側の責任であって、自分のせいではないという言い訳にすぎません。学生の時に、テスト後にあなたや周りの生徒たちは同じセリフを言っていませんでしたか?偽物の忙しさや困難さに負けず、生徒たちとともに、失敗を克服する気持ちを共有することの大切さを忘れないでください。

 

赴任先の管理職たちへ。彼女に変な虫がつかぬようしっかりと目を光らせておくように。彼女は自分たちの思いどおりになる右も左もわからぬ新米教師ではなく、既に生徒たちに信頼され、全員が集中して説明に聞き入る授業のできる立派な教師である。