教育支援員の備忘録

生徒主体の学校づくり

KJ法(川喜田二郎)

高度経済成長期の日本は、教育さえ高めれば、知的・技術的人材はいくらでも増やせると、詰め込み教育の思想が進行された。受験勉強という狭義の教育は、その偏りの一つの表出であるとしても、教育の完全性という迷信に取り憑かれていことに違いはない。気のゆるみ、訓練不足、管理監督不行き届きという不祥事案も、その対策は最終的には教育万能論に行き着く。しかし、どんな理想的な教育訓練をしても、人材には限りがある。そして、人材育成は資本の論理という難問に逢着する。だから、有能とされる者が大量に要求される事態とは、既にその組織は崩壊しつつあると言えよう。

 

以降、6年前にある私立大学の研究室で企業アンケートを行った際の、「企業が求める人材」を列挙する。基調報告者はコンピテンシーを数値化することにしか興味を示さなかったので研究集会では公開されなかったが、ほとんどの回答に「社会人として基本的なマナーがない」という記述が散見されるのはいかがなものであろうか。私がその研究室を去った理由も、原チャリ2ケツの学生を注意したところ面前と向かって罵声を浴びせられた挙句、脅し文句までかけられたからである。一度や二度ではない。学科長に頭を下げられても、そのような人物しか育てられない学校で得られるものはない。

 

  • 目標達成やものづくりの実現に向けて、論理立ててストーリーを考えたり、フレームワークを考えるなど、思考をフル回転させられるような人材を求めています。
  • 営業・事務系の社員では、数字の裏にある本質的な課題を読み取る分析力と、組み上げた仮説で満足することなく実態を把握するための検証行動が取れること。
  • 番役に立つのは数学ではなく論理的思考、中学の入試問題が解ける人の方が役に立つ。
  • データを基に経営や営業戦略に役立てる論理的思考、数字に隠された人間の意思や性格を読み取る能力が欲しい。
  • 論理的な分析も必要ですが、それを計算するための数字やデータがあることが前提ではなく、アンケートや営業など生の声を拾いに行き新しい提案につなげるといった行動的な姿勢の方が評価されることも多いです。

 

  • 大学だけが問題ではないが、自己中心的思考は競争を嫌う学卒者、就業意欲が低い学卒者が多いように思える。
  • 企業側からすると実学への期待はありますが、その力がテクニックで終わるのではなく、その力を使ってどうなりたいかを考えるキャリア育成のようなものをやっていただけると嬉しいです。
  • 協調性や忍耐力など仕事の実践の場で基本的に要求されるものを身につけておいて欲しい。
  • 大学生活では様々な経験を通じて人間力を高め、自分から主体的に発言、行動でき、突き詰めて物事を考える力のある方が理想です。
  • 行動の源泉となるモチベーションが自分にとって何かを具体的に考え抜かれている人、習得した知識を実践の中で真に身につけることができる人。
  • 学生全般的に、言えばすぐにできる優秀さと素直さはあるが、言われなければ動かない、社会的一般常識、挨拶などは教えないとダメ。
  • コンソーシアムでどんどんインターンシップの実施を取り入れて欲しい。
  • いつなくなるかわからない企業への就活や組織への従属に躍起になるよりも、大切なのは社会体験や独自の考えや方法を生み出し、ものを考え作り出す力を養うこと。
  • 自分が将来社会に出て成し遂げたいことやそのためにどんな学生生活を送ってきたかを言えるような学生はより魅力的に移ります。