教育支援員の備忘録

生徒主体の学校づくり

風通し

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“Somehow you strayed and lost your way, and now there’ll be no time to play, no time for joy, no time for friends, not even time to make amends.(Alice in Wonderland)”

 

ラウンジで男子生徒と話していると、一人の女子生徒がやってきて男子生徒に話しかけた。どうやら委員会の提案書がうまく進んでいない様子である。彼は「(私に)相談してみたら?いいアドバイスをくれるから。」と声かけしてくれたが、彼女は緊張しているというよりは「(私を)信用していいのか?」という表情をしていた。

 

母性原理は集団を守ろうとする心理作用であるが、私のことをよく知らない彼女にとっては、私の方が部外者的存在である。仕方がないことだが、友人に勧められたとしても私の姿が視界に入っているだけでも不安に感じているだろう。アドバイスが必要で、それもこのタイミングしかないのであれば、必要なのは相手を自分の思いどおりに操る為のテクニックである。市ヶ谷の2級職幹部に「高校生にリーダー教育は難しいのでは?」と指摘されたとおり、それは組織の運用論であって「生徒主体の学校づくり」に必要な共同体感覚を全否定するものである。

 

先ずはソーシャル・スキルの不器用さゆえに救護欲求のメッセージを発信できないでいる生徒たちに気付く方が大切である。中教審答申でアクティブ・ラーニングが定義づけされる前は、「自ら学ぶ=手を出さない」との強固な主張が多かったが、自分にできることとできないことを区別する判断力なく、変えられる可能性を探す力と変えられないものを見極める力は養われない。悩みが解決困難な悩みとなる前に、寧ろ積極的に質問を促すのことがコミュニケーションのプロセスである。

 

将来のため、こうすれば役に立つはずだ、今何をやればいいのかを考えながら取り組んでいるときと、単に前例踏襲の場合とでは、自分では気付けないが結果に大きな差が出てくる。いわゆる「潜在能力の開花」である。しかし、漠然としたイメージを形容して組み立てることは容易なことではない。だからこそ他者とのコミュニケーションを通じて集めた情報を共同知化してゆく「対話型の学び」が重要なのだ。これは面接の訓練ではないのだから結論を先に出す必要はない。