教育支援員の備忘録

生徒主体の学校づくり

人材雑感2

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(「アソビくるう人生をきみに」 あんちゃ KADOKAWA

 

「今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く。私供は隠されて仕舞った我が太陽を今や取り戻さねばならぬ(平塚らいてう)」

6年振り、原隊に顔を出そうと市ヶ谷に向かった。部隊長、上官への挨拶は簡略に、昨日の事の様に慣れた会話が始まる。「また明日。」と言わんばかりに振り返る事もなく立ち去った。私が育った場所であり、私を育ててくれた人達が居る場所である。私を「仲間」と呼ぶ「仲間」の居る場所である。

 

人間は集団生活を営む存在であり、その為に組織を作る。組織とは、「ある特定の目的を達成する為に幾人かの人間を秩序正しく結合させ、その目標に向かって共同して仕事を遂行していく機構」であって、人間の為の組織を動かしていくのは人間だということである。

 

さて、そこで組織の管理論となるが、ブロガー・メディアディレクターのあんちゃさんを紹介したい。

 

https://www.mazimazi-party.com/entry/profile/

タイトルだけでは伝わりにくいが、著書を読んでみると「現代人は利口で小賢しくなった」と、自主性を個人主義として退け自立性を否定し、パイオニアとしての努力は誰もやらなくなった。賛成か反対かの選択さえ間違わなければ、金や名声といった自分のエゴを得られることへの警鐘と伺える。

 

余談だが、塩野七生氏の著書「イタリアだより(文芸春秋 昭和50年)」では、神と一人の天使の話が紹介されている。

「神様、イタリアだけこんなに美しい自然と温和な気候を与えられては、他の国と不公平ではありませんか。」神様は答えられた。「大丈夫、イタリア人を入れておいたから。」自称的な小話であるが、これが日本であればどうであろう。きっと神様は「鉄も石油もないから心配ない」と付け足すだろう。

 

立派な人の行動を真似しようとすることは決して悪いことではない。しかし、全員が同一方向に走ってしまうと集団の思考の単純化が起こる。思考水準は低下し、デマやインフルエンサーによって振り回されやすい体質となる。不安定集団化したその集団心理が、帰依者の成功体験を例示されることによって、過敏に振り回されやすくなっているのではなかろうか。

 

 「自己肯定感」が高ければ、ありのままの自分を受け止められる状態にあるので周囲のアドバイスを受けることで成長していける。これに対し、「自己有用感」は、他者の役に立った、喜んでもらえたと、他者の存在が前提にある感覚であるから自己肯定感とは全く異なるものである。いずれも「自己評価」であることに違いはないが、他者の評価や視線を強く意識してしまい、自分の気持ちを開示できなくなってしまっては何もできなくなってしまう。

 

リーダーとなるものは前例踏襲を打破し、何のために何をやるのかを考え、組織を維持するために必要な指示や命令は、極端な言い方をしてでも徹底させなければならない。更に、集団の統率には漫然とした精神訓話よりも、指示に対する付加価値をつけなければならない。世の中の動きは一刻も止まることなく変化しているが、変化が徐々に侵攻していると気付きにくい。わずかな兆候でも見逃さないよう注意しないと、変化そのものに気づかず手遅れになってしまう。

 

あんちゃさんは、「先を見通す」力と、相手がしゃべりたくてたまらない問題を代弁してくれる。彼女は自分が辿った茨の道を語るだけの人物ではない。是非、彼女の著作を読んでいただきたい。

論旨がわかりやすく、且つ的確なコメントとは、自身の日常の体験というフィルターによって共感されやすいオリジナリティが加えられているものである。それは、見えなかったものを行為・機能・プロジェクトといった誰にでも取り扱えるものに変換してくれるものでもある。変化に強い人間とは、対応能力だけだはなく構想実現力も持っている。