教育支援員の備忘録

生徒主体の学校づくり

人材雑感3

http://anju-manju.com/

「誰かやにながらへて見る書きとめし 跡は消えせぬ形見なれども(紫式部)」

 

価値観の多様化に伴い、進むべき目標は新規の分野の開拓といった先行き不透明な時代となりました。もはや、自分の培ってきた過去の成功事例だけでは通用しないと言えます。では、どんな人材が必要となってくるのでしょうか。

ここで、漫画家あんじゅ先生を紹介したいと思います。

何事にも人それぞれの個性があって、それが仕事の仕方に反映するものです。それぞれの得意技が冴えているか否かが勝敗の決め手となります。彼女の漫画サロンでは、「作風を大切にする」ことを重視しています。自分の意思を十分メンバーに理解させ、組織を上手に使って仕事を進めることができる人、相手に「あの人のために働こう」と決意させ、アイデアを次々と出し、創造的で手堅い仕事ができる人。

あんじゅ先生は、「確かに」という言葉を使いません。その代わり、「自分としてはこう思うのだが、この場合は事情が違うのだろうか」と自身の意見を断定的に述べません。それが協調的で親しい感をもたらしているのではないでしょうか。

 

やることとやらせること

 

リーダーは生の現場を担当する者であって、手慣れた仕事に安住の地を求めるのではなく、未経験の仕事や皆が嫌がる仕事でも飛び込んで自分を試すようでなければメンバーはついてきません。自ら考え判断し、決断しメンバーを指揮するのがリーダーの役割です。人の力をうまく使うには、自分自身の高い基準を相手に押し付けすぎてはなりません。また、自分の仕事をやることに夢中になり、メンバーが困っている状況に気付けなくなってもなりません。関連する他部門が多く抵抗が多いと考えられる業務や、やって見せなければメンバーにはできない業務、状況が切迫していて手段方法を選ぶ暇がない業務こそ、リーダーがやるべきことです。

 

業務管理の徹底

 

リーダー自身が業務多忙であると、メンバーは浮足立ち緊張感が欠け、思いがけない不適正事案を引き起こすことがあります。業務に間隙を生じさせないように業務管理を徹底するのがリーダーの役割です。仕事の実績に偏りすぎ、できないメンバーを捨ててはならない。何度でも同じ注意を繰り返し自分の頭で考えさせて、それができるまでやらせる指導が大切です。リーダーはメンバーを伸ばすか腐らせるか、その者の人生を支配していることを忘れてはなりません。また、よくできるメンバーを自分の便宜のために塩漬けにし、その手足ばかりを使うとメンバーは伸びません。マンネリと見えたら、なるべく未経験の業務に移し能力を開発させることも重要です。教養効果は、日常の部下との接触のチャンスをどれだけ教育に活用できるかで決まってしまいます。自らの目と耳と足で業務を確認・点検し、前例のみに固執し判断基準、行動の指針としない業務の推進に努めることが大切です。また、業務管理はリーダーの仕事であってメンバーに迎合し、代弁者とならないことも大切です。努力することは十分条件ではなく、当然なすべきことを当然に行うよう、中間報告を求め、適時適切に業務の進捗状況を検証し、結果を出させる指示、指導、教養を徹底することです。

 

組織目標達成のためには、適材適所、部下の能力を十分に発揮させる指揮が必要です。そして、リーダーはメンバーの仕事を応援することです。努力している者の評価、公平性の担保に努めること。これがないとリーダーとメンバーをつなぐ信頼感が断ち切れてしまいます。

 

熟読玩味

 

さて、読書といえば実務に役立てようとする読書もあれば、単に娯楽的な読書もある。インターネット検索すれば、大学で勉強する程度の専門的知識は一気に習得できるだけの情報量が溢れています。

自分の読書力はどれ程のものか。飛ばし読みをする要領、拾い読みをする要領、要点読みをする要領、根気よく読み続ける要領。センテンスの中のキーワードを捉え、次のセンテンスと繋げる。そうやって節の要約、項目の要約へとやっていき全体をつかむのが効率的な読書術ですが、センテンス全体を見ることができれば内容の大筋をつかむことができまます。あんじゅ先生の漫画は、まさにその手法で効果的に表現されています。

 

人間の本質は、酒に酔いながらも本を読む能力もありますし、性に淫することと哲学することも同時にできます。綺麗ごと好きで道徳的な格言を座右の銘にして喜んでいる私と違い、あんじゅ先生の作風は「現実と理想」といった見事な人生洞察を示していると感服せざるを得ません。

清潔、誠実でありさえすればいい、その主張が真面目でありさえすればいいという意見は政治家のスローガンに任せれば良いでしょう。自身は立身出世を求めない、それよりも社会的公平が大事という誠に結構な意見が溢れていますが、普通の人間は自分の心に正直に富を求め、より豊かな生活を求めて努力するはずです。